みけ猫のロック

駆け出し漫画家と、占星術な日々

あなたの本音が聞きたいのです。/負の体験を糧にしていくこと

SNSであえて「盛らない」自撮りを載せる若者の話を聞いた。

私の知ってるSNSといえば、(ツイッターを除いて)充実したプライベートの様子を載せるもの。Facebookなんていまや更新している人はほとんど決まっていて、仕事の話か育児日記か、単純に自己開示の好きな人か。その他大勢は結婚や出産といったイベントごとでご報告をする。ネガティブなことを書く人はほぼおらず、人生の中でもほんの上澄みのキラキラした部分だけを切り取って投稿する。

もはやそんなの、見飽きた光景だ。こんなジジババのSNSの使い方を見て嫌気がさした若者が、あえて盛らない日常を投稿するようになったんじゃないかな。

私がそうした投稿に興味がなくなってしまったのは、おそらく投稿者の本音が見えないからだ。仕事のための投稿ならともかく、お金も発生しない状況で「私はこんなにも幸せなんです!」だなんて、誰に向かってそう叫んでいるのだろう。拡声器で幸せを叫べば叫ぶほど、虚空に反響した声が返ってきて一層虚しさを際立たせるようだ。ああ、こんなこと書いたらたくさん敵を作るだろうな。でも私は、そういう本音の方が見たいんだ。

 

本音は決してきれいじゃないかもしれない。
でも、きれいじゃなくても価値のあるものはある。

本音じゃないと響かない

少なくとも漫画という媒体を描く上では、作者の本音が垣間見える部分がないと全く面白くならない。

もちろん作者の本音というよりも、キャラの心情をセリフとして表現するわけだけど。でも刺さるセリフって、作者が実感したことだから刺さるんじゃないかなぁ。少なくとも、きれいに見せようときれいごとだけでラッピングした漫画がつまらないのは想像に難くない。

 

そう。みんな、自分をきれいに見せたいんだよね。

 

自分をきれいに見せること、立派に見せることにエネルギーを使う人が本当に多いなと感じている。良い印象を維持することが最優先。だからネガティブは吐かない、本音は隠してしまう。

だからこそ、本音の言葉が人の心に響くのだ。

私はキラキラ飾り立てた近況報告よりも、あなたの本音が聞きたいのです。

 

負の体験を糧にしていくこと

とはいえ、ネガティブなエピソードを披露するのは難しい。

私は人の失敗談や壮絶な体験を聞くのって、その人の人間性を知ることができるし勇気をもらえるから好きなんだけど。「そんな重い話は聞きたくもないし、知りたくもない」という人が一定数いるようだ。

こうした人の存在を知らなかったのは私にとって盲点だった。というのも、私にとっては過去の笑い話のような感覚で話したのに、想像以上に重かったようでリアクションに困らせてしまう…という経験が何度かあったからだ。よほど人を見て話す必要があるようで、これは単純に反省点です。

でもやっぱり、負の体験もしっかり価値に変えていかなければ意味がない。転んでもタダで起き上がりたくない。

 

夏至の日の海。ここからまた、陰に近づいていく。
冬至には、陰極まって陽に転ずる。
何事も陰と陽の循環で成り立っているのだ


ネイタルチャートに自分の思ったことが伝わらない葛藤があるマイナーアスペクトを私は持っているようで、「この葛藤を日常の中で昇華していくのは相当難しいと思う」と言っていただいたことがある。


そうだね。だから私はきっと、漫画を描いているんだろう。
たぶんその葛藤がなければ、漫画なんて描いてない。表現なんてやってない。

世間話にするには重い体験でも、こうしたブログに文章で書けば良い。思ったことや感じたことは、フィクションも織り交ぜて漫画の中で表現していけば良い。
さすがに商業漫画だけでそれをやるのは限界があるので(商業漫画は読者の方を楽しませてナンボだからね)、こういう場所でぽつりぽつりと言葉にしていければいいのかなと思う。嫌な人は読まないし、もしかしたら前向きな気持ちになってくれる人もいるのかもしれない。


そういうわけで、旧名義では公開できなかった「離婚協議の渦中に書いた記事」を思い切って公開してみた。誰にも公開できずにずっと寝かせてきた記事や日記も、見られるものは少しずつ過去の時間で公開していこうと思う。

lemone-co.hatenadiary.com

 


連載準備中で何も告知ができない今、アウトプット欲を満たす目的でこのブログを書いてるんだろうな。ある程度他で発散しないと、漫画の中で描きたくなってしまって客観性を失ってしまうみたいだから。このブログに関しては、需要とか読みやすさとか、なーんにも考えてない。日常のことも作家活動のことも占星術のこともごちゃまぜだし。書いていくうちに洗練していければいいかなくらいに思っている。まぁ、そういう本音を誰にともなく発信する場くらい、あったっていいよね。